今だから話せる 映画「なんでかね~鶴見」制作エピソード
「なんでかね~鶴見」鶴見で初上映時

地域発信型映画「なんでかね~鶴見」

2023年の沖縄国際映画祭で公開しました映画「なんでかね~鶴見」
一作目の「だからよ~鶴見」の公開が2020年でしたので3年後になりますね。私はいわゆるプロデューサーと表記はされておりますが、実際は映画の事も業界の事も何もわからない素人です。そんな素人の私でも監督と出会い、地元の有志、仲間が集まり、プロのスタッフさんに教わりながらがむしゃらに走り抜けた映画制作でした。構想から実際に動き出し、製作期間を越えて、完成、公開、上映までの奔走した約1年半!を振り返ってみます。そして「なんでかね~鶴見」を観て頂きたい(一度観た方ももう一度)という想いがあります。

なんでかね~鶴見

テーマをエイサーに決定

一作目の「だからよ~鶴見」は沖縄角力(おきなわすもう)をテーマに制作しました。沖縄角力大会が沖縄県外で唯一鶴見で開催されていたというかなりの希少性を伝えたいという想いでした。当時は鶴見の沖縄県人会内で行われていた行事のひとつでほとんど外部に知らされることはなかったのですが、映画作品を通じ沖縄角力を初めて知ってくださり、鶴見という町のおもしろさを感じて頂けました。

この角力大会の盛り上がりもすごいのですが私が感じる沖縄タウン鶴見の一番地域性が出るイベントは、鶴見エイサー潮風(うすかじ)さんの行事「道じゅねー」だと思っております。首都圏内のさまざまなエイサー祭りに参加させて頂きましたが鶴見の地域性はちょっと違いました。エイサー本来の意味とか青年会、地域の一体感を一番感じる事ができるイベントです。鶴見の底力というか。

その鶴見の「道じゅねー」を観た渡辺監督が「鶴見の町でガーエーがみてみたい」というのが始まりでした、、、

鶴見エイサー潮風
鶴見の道じゅねー

動き出しは2022年初め

色々と構想などを考えるとその前からなのですが、実際に動き始めたのは2022年1月でした。この時期は下準備という時期でまだ表に発表できる段階ではない水面下の交渉が始まります。エイサーがテーマに決まり、真っ先に相談に行ったのがエイサーの本場「沖縄市」
色々と現地の仲間に相談して各所へ回り、我々の構想を伝えて回りました。当時はマスク着用が当たり前の時期でしたね、、、

なんでかね~鶴見
なんでかね~鶴見

2022年は鶴見区フィーバーでした!

なんと!?この2022年という年は、沖縄本土復帰50年という節目の年であり、NHK連続テレビ小説いわゆる朝ドラ「ちむどんどん」の舞台のひとつに「鶴見」が選ばれたのです。
全国的に鶴見に焦点が集まりました。注目が集まるこのタイミングに第二弾の映画製作だ!という勢いの後押しもありました。なにか大きな大きな流れの渦がこの時の鶴見にはありました。流れに乗っかろう。それも大きな要因でしたね。

ちむどんどん委員会
ちむどんどん横浜鶴見プロジェクト

さまざまな根回し調整、お金集め

さあ、制作メンバーの意識も高まってきて、ここからがいよいよスタートという感じです。渡辺監督と打ち合わせしながらスタッフさんも交えて進んでいきます。ロケ地の調整や出演者の選定、交渉なども行っていきます。

「ガーエーロケどこでやる?」などの話し合いです。こんなの話ながら仲間と酒を飲む時間がとってもいい感じなのです。

完成の目標は2023年の「沖縄国際映画祭」と決めていました。そこからさまざま逆算していつまでに作品提出、いつまでに編集完了、いつまでにロケを終わらせる、、という感じでしたね。

なんでかね~鶴見
2023年沖縄国際映画祭

同時並行して大変だったのが資金集め。ここも走り出してから本格的に皆さんにお願いしていく感じでしたね。(本当はお金集めてからだよね。。)
クラウドファンディングもやりました。
102名様からの応援が集まりました。本当に本当に感謝しかありません。

ただ、2作目という事もあり協賛へのご理解が高まっている手ごたえはありました。すでに作品を作っているという実績は大きかったのかもしれません。

主演のオーディションもこの時期(2022年9月)に行いました。人様の演技を判断するなんておこがましい感じでしたが、興味本位でオーディションの審査の場に参加させて頂きました。役者さんってやっぱりすごいなー。この時主演の「比嘉秀海」くんに会います。

なんでかね~鶴見

園田青年会と和光青年会の皆さんのバックアップ

ガーエーシーンを鶴見で、と決まったところでさてどうする?と言う問題が。
ストーリーとしては沖縄市の青年会と言う設定でしたので架空で団体を作る?
いや、実際の青年会だよね、とみな同意見。

なんでかね~鶴見

再び沖縄市へ。園田青年会の皆さんにご出演相談。派遣相談。あわよくば沖縄市から派遣予算を組んで頂ければ、、と考えていたが思うようにはいかず、、

さてどうする?
ダメなら案を考えるのが仕事。慣れたもんです笑

東京近郊で園田青年会の型を継承している団体がある。和光青年会さんでした。沖縄から園田青年会のメンバー全員の派遣は難しいが、数名だけ来ていただいて残りのメンバーは和光青年会の皆さんに協力してもらえればいいのでは?と半ば強引な案が浮上。
すぐに相談して、映画撮影 に協力して欲しいと言う無理難題に丁寧に話しを聞いてくれました。
メンバーの方のご理解、そして園田青年会の皆さんのご理解。ここの調整はとってもデリケートな問題で大変でした。

伝統を引き続き継承されている青年会、当然OBの方も沢山いらっしゃる。どこにどう相談して良いのやら。旗はどうする、太鼓はどうする、衣装は??解決する問題は山積みでした。
撮影チームの都合だけを押し通すだけだと"ひずみ"が出てしまう。
ひとつひとつ丁寧に話し合い、丁寧に紐解いていくという毎日でした。
この時制作アシスタントの方とたくさん奔走したなー(桜井さんありがとう)

なんでかね~鶴見

園田青年会の旗をなびかせ、登場してくるシーンは、神がかってました。カッコ良すぎて、凛としていて、今までの大変だった調整が実を結んだ瞬間でした。正直この時涙しましたね。。

やはり園田青年会、和光青年会の皆さんに頼んで良かった。

このシーンはぜひスクリーンで観て頂きたい。

ロケスタート!そしていきなりクライマックスシーン!!

ロケスタート!で、いきなりのクライマックス撮影。超大掛かりなガーエーシーン。

撮影日は2022年10月22日23日でした。

園田青年会、和光青年会、そして鶴見エイサー潮風、役者さんのタイミングを全て合わせらるのがこの日しかありませんでした。

そう、ロケ初日。

主演の秀海くんもスタッフも、緊張の面持ち。
クライマックスシーンは、エイサー、ガーエーシーン。
道路許可を取り、周辺の方に案内して、あと祈るのは天気。エイサーシーン。機材の事も考えると、やっぱり晴れて欲しい。そして2日に渡りの撮影なので1日雨、2日目晴れだと同じシーンのため話が繋がらない、、てるてる坊主様!!潮田神社様(天気に恵まれる神社)!!

あとは天気頼みでした。。

なんでかね~鶴見

おかげさまで、天気に恵まれ!予定通り(大幅に時間は押しましたが、、)撮影ができました。
エキストラさんもたくさん集まって頂きありがとうございました。

鶴見や沖縄関係者のみなさんのサポート

「鶴見エイサー潮風」さん「琉舞鶴之会」のみなさんのサポートを頂き、役者さんへエイサーや舞踊の指導をしていただきました。
ほとんどの役者さんがエイサーを踊るのが初めてだったので動画を撮って送ってもらいみなさん自主練。そして集まってのお稽古も何度も行って頂きました。

なんでかね~鶴見

ロケ中の賄いひとつだって、大変です。エイサーロケの日は100人以上のスタッフ、役者さん、関係者の方が集まりました。この時は炊き出しでみなさんに「沖縄そば」をふるまって頂きました。仲筋社長!その節は本当にありがとうございました。

なんでかね~鶴見

ロケ地やエキストラも鶴見のみなさんにたくさん協力してもらいました。同じシーンを何回も撮ったり、人止めしたり、はたまた1~2時間平気で待たせたり、、でもって最終的にカットされてたり、、撮影って大変だよねーと皆で感じたよね。。(笑)
でも地元の方が参加する、地域映画の醍醐味でもあると思ってます。楽しかった~。

なんでかね~鶴見
なんでかね~鶴見

そして沖縄ロケへ!

ガーエーシーンのロケが終わり、10月末に沖縄ロケへ飛び立ちます。
この時は「世界のウチナーンチュ大会」が沖縄で開催されており、鶴見の県人会として私も参加させて頂きました。

横浜・鶴見沖縄県人会
2022年「世界のウチナーンチュ大会」パレード時
那覇国際通りにて


また、個人的には1年で一番の大仕事の11月上旬に開催される「鶴見ウチナー祭」の直前でもあり、、ホテルに帰ると出店者との調整やレイアウト作成など、、イベント準備に追われておりました。

”しっちゃかめっちゃか”状態。

監督もロケの段取りはもちろんですが自身が抱える舞台の脚本造りも重なり、、
毎日がジェットコースターのように目まぐるしく過ぎていき「今は何の準備の話だっけ!?」となる具合でした。。

だけど、どんなに大変でもやることは一緒。ひとつひとつ丁寧にタスクを書き出し解決していけば大丈夫!と大きな山を越えて自信がついたことを覚えております。

なんでかね~鶴見
沖縄市諸見里自治会「こども会」
モーリシャス
沖縄市のBAR「モーリシャス」でのきいやま商店さん撮影
なんでかね~鶴見
琉球村で「大工哲弘」さん撮影
なんでかね~鶴見
スペシャルセンクス!この男がいなければ映画はできませんでした、、

ロケも終わり編集作業へ

鶴見ウチナー祭も無事に終わり、残りのロケも順調に!?(いや大幅に押しながら、、)進んでいき何とか撮影は終了。ここからが映画として仕上げていく本番!私は編集作業何もできませんが、、(笑) 
なんとなく編集の現場にも何度か立ち会わせて頂きました。

ハッキリ言って編集作業は、果てしない気が遠ーくなるような作業の積み重ね。プロフェッショナルな仕事を見させていただきました。

なんでかね~鶴見
編集を色々と仕切っている風(ですが私は何もしてない、、笑)

作品完成!そしてどうやって届ける!?

作品がいよいよ完成しました。「沖縄国際映画祭」での上映は決まっていたのですが、
その後はどうする!?

映画館にお願いすれば、簡単に上映可能と思っていました。。(素人ですみません)

劇場との交渉の始まりでした。山ほどある映画作品の中から我々の作品を選らんで頂けるにはどうすればよいか!?ここは営業マンの本領発揮ですよね。一件一件アポ取り、紹介していただいたり、劇場担当者さんには「頑張って集客します!」と熱弁して回っていきましたね。

なんでかね~鶴見
沖縄国際映画祭公開時の舞台挨拶
那覇市桜坂劇場にて
なんでかね~鶴見
横浜シネマリンさんでの上映
なんでかね~鶴見
新宿ケーズシネマさんでの舞台挨拶

劇場で上映していただきとても感謝でした。そして入れ替わりの激しいこの業界で次々に素晴らしい新作が出てくる中では作品が埋もれてしまうな、、という事も感じました。

映画は作って終わりではない。という事です。

どんな形だって良い。どうやったら届けられるのか。
そこで独自にイベントを行い上映するとか地域活動(学校や地区センターなど)や各地の沖縄県人会での上映上映など手探りで行っていきました。これもひとつの映画を届ける方法だな。

我々の作品はこれからも地域に根ざして末永く愛されるように営業していきますね。上映していただける場所がございましたらお問い合わせください。

まだまだここでは書けないようなエピソードありますが(笑) どこかの機会でまた!

今回伝えたかったのは、、
↓↓↓

最後に告知!!

長くなりましたが、最後に告知!!

鶴見ウチナー国際映画祭というイベントが年末の忙しい時期ですが、、鶴見駅前の「鶴見区民文化センターサルビアホール」でございます。

『なんでかね〜鶴見』の上映があります。
上映後に監督、出演者の舞台挨拶もあります。
なんと、鶴見区民、エイサー団体所属者は割引も!

ぜひ観に来てくださいね♪

時間▶
12月22日(日)
14:50開場/15:00上映(約113分)
上映終了後、トークショー&ミニライブ(約30分)
出演:渡辺熱監督、川田広樹(ガレッジセール)、奏絵、宮川たま子

入場料▶
一般:¥1,000
高校生以下:¥500
鶴見区民割引:¥500
エイサー団体割引:¥500
全席自由
※エイサー団体に所属の方は割引対象となります(当日、団体名をお知らせください)。
※高校生以下、区民割チケットをお求めの方は、当日証明書をご用意ください。
https://nandekanetsurumi.peatix.com

鶴見ウチナー国際映画祭
鶴見ウチナー国際映画祭



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